チェスを覚えたけど、なかなか勝てない…という人のために、初心者がまず意識したいコツを紹介します。序盤の進め方、駒を取られないための考え方、一人でできる練習法をまとめました。


序盤の3つの原則

序盤(対局の始めのほう)は、次の3つを意識するだけで、ぐっと戦いやすくなります。

  1. 中央を取る

    e4・d4・e5・d5 の4マスが盤の中央です。中央にポーンや駒を置くと、駒が動ける範囲が広がります。

  2. 駒を前に出す(展開)

    ナイトとビショップを、早めに最初のマスから動かしましょう。同じ駒を何度も動かすより、まだ動いていない駒を出すほうが大事です。

  3. 早めにキャスリングする

    キャスリングすると、キングが端の安全なところに移り、ルークも戦いに参加しやすくなります。くわしくは「キャスリングとは?」へ。

白も黒も、中央にポーンを置き、ナイトとビショップを出して、キャスリングを終えた局面 色の付いた4マス(d4・e4・d5・e5)が中央です。白も黒も、中央にポーンを置き、ナイトとビショップを出して、キャスリングを終えています。

この3つを守った進め方には、「イタリアンゲーム」などの名前がついています。初心者におすすめの形は「初心者におすすめのチェスのオープニング」で、手順は「オープニング」の一覧で紹介しています。


駒をタダで取られない

初心者のうちは、自分の駒を取られ、うまく取り返せずに負けてしまうことが多いです。駒を動かす前に、次の2つを確かめましょう。

  • 動かした先で、その駒は取られないか

    相手の駒がそのマスに来られないか、来られるなら自分の駒で守っているかを見ます。

  • 動かしたことで、ほかの駒の守りが外れないか

    その駒が守っていた駒が、タダで取られるようにならないかを見ます。

取られても、同じくらいの点数の駒を取り返せるなら損はしません。駒の点数は「チェスの駒の点数一覧|一番強い駒はどれ?」で紹介しています。

チェスをはじめたばかりのころは、どうやって相手の駒を取るかばかり考えていて、ボットに負け続けていました。
だんだんとボットに勝てるようになったのは、常に駒同士で守り合っているかを意識するようになってからです。

駒を動かすときは、味方の駒に守られているか、守れていない駒はいないかをチェックするようにしてみてください。
逆に、相手の守れていない駒を見つけたら、取り返されないか(罠ではないか)を確かめてから、積極的に取りましょう!


相手の手の狙いを考える

相手が指したら、自分の手を考える前に「相手はなぜその手を指したのか」を考えましょう。ポイントは、次の3つです。

  • チェックはかかっていないか
  • 取られそうな駒はないか
  • 次の手で、何かを狙っていないか(両取り、チェックメイトなど)

自分のやりたいことだけを考えていると、相手の狙いに気づかずに駒を取られてしまいます。

初心者のうちは、自分の狙いも定まっていないため、相手の狙いを考えるのがとても難しいです。
私の場合は、「自分だったら次はこうする」という読みが外れることが多く、あ!と思ったときには駒を取られていることが多くありました。
レッスンで、解説付きのボット同士の対局を見てからは、「次はこう来るんじゃないかな?」というのが見えてきました。
手っ取り早く狙いが読めるようになるのでおすすめです。


よく出る戦術を覚える

戦術とは、1手〜数手で駒得したり、チェックメイトしたりする手筋のことです。まずは、次の3つを覚えましょう。

  • フォーク(両取り)

    1つの駒で、相手の駒を2つ同時に狙います。ナイトのフォークがよく出ます。

白のナイトが c7 に跳んで、黒のキング(e8)とルーク(a8)を同時に狙う局面 白のナイトが c7 に跳んで、キングとルークを同時に狙っています。キングが逃げたら、ルークを取れます。

  • ピン

    動くと後ろの大事な駒が取られるので、動けなくなった駒を狙います。

白のビショップ(b5)が黒のナイト(c6)をピン。ナイトが動くと、後ろのキング(e8)が取られてしまう b5 のビショップが c6 のナイトをピンしています。ナイトが動くとキングがねらわれるので、ナイトは動けません。

  • スキュワー(串刺し)

    大事な駒を狙い、それが逃げたら後ろの駒を取ります。ピンの逆の形です。

白のルーク(e1)が黒のキング(e5)にチェック。キングが逃げると、後ろのクイーン(e8)が取られる e1 のルークでキングにチェック。キングが e の列から逃げると、後ろのクイーンを取れます。

戦術は、問題を解いて覚えるのが一番の近道です。みんなのパズルで、実際の対局に出た局面を解いてみましょう。ほかの技は「チェスの戦術一覧」で紹介しています。


駒得したら交換して、局面を簡単にする

相手より駒の点数が多い(駒得している)ときは、同じ点数の駒どうしを交換していくと勝ちやすくなります。

  • 駒が減るほど、点数の差がはっきり効いてきます。
  • 盤の上がすっきりして、相手に逆転の手が残りにくくなります。

逆に、駒損しているときは、交換をさけて、駒が多いまま逆転のチャンスを探しましょう。


終盤のコツ

駒が少なくなった終盤では、序盤とは考え方が変わります。

  • キングも戦わせる

    序盤は守っていたキングも、終盤では前に出て、ポーンを守ったり、相手のポーンを止めたりする大事な戦力になります。

  • ポーンを成らせる

    ポーンが一番奥まで進むと、クイーンなどに成れます。終盤は、ポーンを進めることが勝ちへの近道です。

  • 基本のチェックメイトを覚える

    • クイーン+キング 対 キング
    • ルーク+キング 対 キング

    基本のチェックメイトは、相手のキングを盤の端に追いつめるのがコツです。くわしくは「チェックメイトとは?」へ。

白のクイーン(b7)とキング(b6)で、盤の隅の黒のキング(a8)をチェックメイトした形 クイーン(b7)をキング(b6)で守りながら、隅のキングをチェックメイトした形です。

駒得しても、チェックメイトのしかたを知らないと、引き分け(ステイルメイトなど)になってしまうことがあります。くわしくは「チェスの引き分けとステイルメイト」で紹介しています。


よくある負け方と防ぎ方

初心者がよく負ける形に、スカラーズメイトがあります。白がクイーンとビショップで f7 のポーン(黒のキングの近く)を狙い、4手でチェックメイトする形です。

1. e4 e5 2. Bc4 Nc6 3. Qh5 Nf6?? 4. Qxf7# の局面。白のクイーンが f7 を取ってチェックメイト 4. Qxf7# の局面。c4 のビショップに守られたクイーンが f7 を取って、チェックメイトです。

防ぎ方は、早い段階で f7 を狙われていることに気づき、守ることです。たとえば、3. Qh5 には 3... g6 でクイーンを追い払うか、3... Qe7 でクイーンを使って f7 を守ります。

f7(白なら f2)は、序盤ではキングしか守っていない弱いマスです。ここを狙われていないかは、いつも気をつけましょう。2手で終わるフールズメイトなど、ほかの早いチェックメイトは「最短2手で終わる?チェスの早いチェックメイトと防ぎ方」で紹介しています。


一人でできる練習法

当サイトでは、一人でも練習できます。

  • ボットと対局する

    強さを10段階から選べます。勝つか負けるか半々くらいのレベルで練習するのがおすすめです。レベルの選び方は「チェスのボットの強さ10段階」で紹介しています。

  • パズルを解く

    みんなのパズルで、戦術の問題を解けます。

  • レッスンで学ぶ

    レッスンでは、ボットどうしの対局を1手ずつ見ながら、解説を読んだり、次の一手を一緒に考えたりできます。

  • AI解析で振り返る

    対局が終わったら、AI解析で、どこでミスをしたかを確かめましょう。負けた対局ほど、学べることがたくさんあります。

おすすめの順番は、まずレッスンで駒の動かし方や相手の狙いをつかむ → ボットと対局する → AI解析で振り返って、直すところを見つけて取り組む、です。
AI解析の「5つの力チャート」で戦術の点数があまり良くなかった場合は、みんなのパズルや、マイページのプレイヤーごとのパズル(登録すると使えます)に取り組んでみてください。


必勝法はあるの?

チェスには、必ず勝てる方法(必勝法)は見つかっていません。

チェスの局面の数はとても多く、今のコンピューターでも、すべてを調べきることはできていません。最強のチェスAIでも、最初の局面から必ず勝てる手順は分かっていないのです。

だからこそ、ここで紹介したコツを少しずつ身につけていくのが、勝てるようになる一番の近道です。

チェスAIについては、「チェスAI Stockfish(ストックフィッシュ)とは?強さ・仕組み・評価値の見方」で紹介しています。