オープニングの解説に出てくる「なぜ?」を、くわしく説明します。


なぜ黒の f7 は弱いの?

最初の局面で、f7 のポーンを守っている駒はキングだけだからです。ほかのポーンは、2つ以上の駒に守られているものがほとんどです。

  • 守りがキングだけ: 白が2つの駒で f7 をねらうと、守りが1つ足りなくなります。
  • キングのすぐ隣: f7 を取られると、キングの前が空いて、チェックされやすくなります。ポーン1つの損では済まず、詰みにつながることもあります。
  • ねらいやすい: c4 のビショップ、h5 や f3 のクイーン、g5 のナイトは、どれも序盤のうちに f7 をねらえます。

たとえば 1. e4 e5 2. Bc4 Nc6 3. Qh5 Nf6?? 4. Qxf7# は、ビショップとクイーンの2つで f7 をねらって、4手で詰ませる手順です(スカラーズメイト)。

キャスリングでキングが g8 に動くと、f8 に来たルークも f7 を守るので、弱さが減ります。白の f2 も、同じ理由で弱いマスです。

2. c4 のポーンは、取られてもなぜ取り返しやすいの?

1. d4 d5 2. c4 のあと、黒が 2...dxc4 とポーンを取っても、黒はそのポーンを守り続けにくいからです。

  • ビショップで取り返せる: 白は e3(または e4)と指すと、f1 のビショップの通り道が c4 まで開きます。次に Bxc4 で取り返せて、ビショップも良い場所に出られます。
  • 守ろうとすると形がくずれる: 黒が ...b5 で c4 を守ると、白は a4 で b5 をねらいます。守り続けようとするほど、黒のクイーン側のポーンがばらばらになります。
  • クイーンで取り返すこともある: 場合によっては、Qa4+ とチェックして c4 を取り返せます。

しかも、取り返すまでの間に、白は e4 と指して中央をポーン2つで取れます。黒の d5 のポーンが c4 に動いて、中央からいなくなっているからです。

このため 2. c4 は、「ギャンビット(ポーンを差し出す手)」という名前ですが、本当にポーンを捨てる手ではありません。この手順をクイーンズ・ギャンビットと言います。